千砂都誕生日 没ネタ・考察ネタ

元作品

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<没ネタ>

 長いとどうしても読む人は減るので、なくても話が繋がるならカット。


・生徒会室のシーン 退学するつもりだったと聞いた後
🪐「常識人と思ってたのに…。今までずっと騙されてたわ」
🐙「人聞き悪いなー」
☕「明るく社交的で良識もあるのは事実ではないですか」
🐙「そうだよ。言っちゃ悪いけど、すみれちゃんの10倍は友達いるから」
🪐「うるさいわね! ファンは増えてるし気にしてないわよ!」
☕「気にしてたんですね…」
🐙「ギャラクシーとか言ってるから友達できないんだよ。
 付き合ってみれば面倒見良くて優しいって分かるのにね」
🪐「誉めるかけなすかどっちかにしなさいよ!
 ふ、ふん。千砂都の友達だってどうだか。
 かのんに言われたから作ったんじゃないの?」
☕「すみれさん、それはさすがに言いがかり…
 …千砂都さん?」


 目を逸らしている千砂都。幼少期の回想。


🎧「ちぃちゃん、私と仲良くしてくれるのは嬉しいけど。
 他にも友達作らなきゃダメだよー」
🐙「分かったよかのんちゃん!」
🐙(そうだよね… ぼっちがかのんちゃんの隣にいる資格はない。
 友達百人は作らないと…)


 回想終了


🐙「なんてことは確かにあったけど
 ちゃんと皆に友情は持ってるよ!
 恋ちゃんまで引かないで!」


・その日の放課後 部活中
🎧「さ、練習を始めるけど…
 その前にちぃちゃん、何かあった?」
🐙(さすがかのんちゃんすぐ気付いてくれる!
 ってそれに甘えちゃいけないけど)
🪐「昼休みに少し私とやり合ったのよ」
🍨「すみれがまた余計なこと言ったんデスか」
🪐「何で私が悪いって決めつけるのよ」
🍨「千砂都は非の打ち所がない人格者なのだから、当然デス!」
☕「可可さんからはそのような評価なのですね」
🍨「日本に来て早々手助けしてくれた、二人のうちの一人デスからね。
 かのんは… 可可が言うのも何デスけど、互助的なところもありマシタが」
🎧(そうだね、と笑顔)
🍨「千砂都は自分に何の得もないのに、善意だけで助けてくれたのデスよ!
 何という日本人的人情!」(涙)
🐙「当然のことをしたまでだよ」(照れ笑い)
🍨「くぅー! カッコイイ!
 『私を誰だと思ってるの』とかいきなり切れたやつは、少しは見習えデス!」
🪐「へーへー、すいませんね」


 謝りながらも、千砂都にジト目を向けるすみれ。


🐙(本当に純粋な善意だった?
 かのんの隣に立つならそうあるべしとか考えてなかった?
 ――という視線を感じる…)


 部活終了後、すみれと恋が連れ立って帰ろうとする。


🎧「二人でどこか行くの?」
🪐「ちょっと喫茶店に寄り道」
☕「千砂都さんについて語り合おうかと」
🐙「人をネタに盛り上がらないでよ!」(汗)


 喫茶店にて


☕「千砂都さんからかのんさんを取ったら、何も残らないとおっしゃいましたが…
 二人が出会う前から、千砂都さんは地面に丸を書いていたそうなので。
 丸好きは生来のものですよ」
🪐「割とどうでもいい。
 いや待って…
 私って占いが趣味じゃない?」
☕「そんな設定もありましたね」
🪐「設定言うな! そのやり方で千砂都を紐解くと――
 『玉に瑕』の言葉もあるように、球体は完全なものの象徴。
 そして円は始点も終点もない、自己完結した図形。
 千砂都の内向きな完璧主義を表してるわね」
☕「なるほど。元からそうだった彼女が、かのんさんというヒーローに出会って化学反応を…」
🪐「ま、こじつけだけどね」
☕「千砂都さんから外に線が伸びないのが、すみれさんとしては少々寂しいのですね」
🪐「別に… どいつもこいつも、かのんかのんなのがムカつくだけよ」


・終盤の神社
🪐「かのんの力になりたいって願望が、そもそも歪んでるわね」
🐙「そう?」
🪐「だって、かのんが何かに困ってることが前提じゃない。
 かのんが自力で何でも解決できたら、決して叶わない願いでしょ」
🐙「そうだね。二位で満足しないで悔しがってくれたとき、正直ホッとしたよ。
 これで今後も、かのんちゃんの夢のために尽力できるんだって」
🪐「いびつだって分かってるなら、もうやめなさいよ。
 千砂都はもっと自分の為に…」
🐙「ストップ、すみれちゃん。それはあり得ないよ」


<考察>

・かのんは歌えないと分かっていながら、なぜ無謀にも音楽科を受けたのか
案1:自分の弱点を直視できなかった。千砂都は止めてた。
 2話時点で、千砂都がまだそこまで重くないと思われてた頃の創作での解釈。さすがに今となってはない。


案2:どうしても諦められなかった。
 1話の中学時代の自己紹介で、結ヶ丘の音楽科に行きたいと言っていたほどなので。
 ただあの時点で既に人前では歌えなかったので、何であそこまで自信満々に言えたのかは謎。


案3:いっそ落ちて歌への未練を断ち切りたかった。
 千砂都と関係ない理由にするなら一番ありそう。


案4:自分が普通科を受けたら、千砂都も普通科を受けてしまうから。
 あの才能を音楽科に行かせないのは申し訳なさすぎた。
 だから7話で普通科に転科してきたのは少々複雑だったが、優勝までされたら何も言えない。
 千砂都もそれが分かっていたから、優勝するまで転科しなかった。


案5:どんどん凄くなる千砂都の隣に立てるようになりたかった。
 劣等感や追い詰められてだと千歌と被るから、あくまで前向きに僅かな可能性に賭けた。
 失敗しても千砂都が見捨てることはないと確信してるので、何とか挑戦できた。
 そして見事に失敗。
 今回の漫画での案。


・やはり「退学して海外に行く」は過剰すぎた。もっと理由付けがほしい。
🐙「クーカーのことがあったからね。
 かのんちゃんの力になるために生きてきたのに、彼女が一番辛いときに全く役に立たず、可可ちゃんが全部救ってくれたんだから。
 もう、かのんちゃんの前から消えてしまいたかった。
 それでもダンスのコーチで力になることで辛うじて存在意義を繋いでたけど、サニパさんに否定されちゃってさ。
 もちろんサニパさんの意図は、お前もきちんとメンバーになって一緒に頑張れという事だったんだろうけど、そんな自信はなかったし、自分を許せなかった。
 だから優勝は最低条件で、二位以下なら本当に退学してたよ」


・退学したらかのんが悲しむとは思わなかったのか
🐙「そりゃ心労をかけるのは申し訳ないとは思ったけど、かのんちゃんには可可ちゃんがいたからね。
 あ、もちろんすみれちゃんも。
 だから私がいなくても大丈夫だろうなって。
 後はまあ……甘えかもしれないけど、かのんちゃんなら私の考えることは分かってくれるだろうなって」


・実際のところ、かのんはどこまで理解していたのか
🎧「退学して海外、って具体的なところまではさすがに無理でも、私の前から消えるつもりかなとは思ってたよ。
 全部分かりあってる幼馴染だからね。
 神津島から必死で飛んできたのは、それを止めたかったからなのもある」


・千砂都が好きなのは、子供の頃のヒーローだったかのんではないか 今のかのんを見ていないのではないか
🐙「あのね。4話でお化けを怖がるかのんちゃんをからかったりしてたでしょ。
 かのんちゃんの弱い部分や駄目な部分も直視してるし、それを含めて愛してるよ」


・『澁谷かのんなど己に何の関係もない!』って言ったらどうなるの?
🐙「え、からくりサーカスネタ?
 やっぱりドットーレみたいに、存在意義を失って自己崩壊するんじゃない?」


・「す何とかさん」とか言ってすみれをいじめてたのは?
 脚本が悪い。千砂都は悪くない。


・没ネタその4
🐙「『吾輩は猫である』に出てくる、理学者の水島君って覚えてる?
 そう、寺田寅彦がモデルって言われてるキャラ。
 あの人が実験のためにガラス玉を磨くって話があるんだけど、妙に印象的で暗記しちゃったんだ。
『どうもむずかしいです。
 だんだん磨って少しこっち側の半径が長過ぎるからと思ってそっちを心持落すと、さあ大変今度は向側が長くなる。
 そいつを骨を折ってようやく磨り潰したかと思うと全体の形がいびつになるんです。
 やっとの思いでこのいびつを取るとまた直径に狂いが出来ます』
『私も随分熱心に磨りましたが――この正月からガラス玉を大小六個磨り潰しましたよ』
 別に完璧な球体を求めてるわけじゃなく、実験上差し支えないくらいな球を作るつもりでこれだよ。
 私がやっているのも、要するにこういうことなのかなあって。
 それで気になるのは、夏目漱石は何のつもりでこの話を入れたのかってことだよ。
 しまいには完成まで十年二十年かかるとか言い出すしね。
 浮世離れした学者の笑い話として入れたのか、理想のため実直な求道者として入れたのか……。
 苦沙弥先生は素直に感心してるし、迷亭君はいつもみたいにからかうだけで、判断がつかないんだよね。
 ねえ、すみれちゃんはどう思う?」