椿咲花メンバーの湯涌温泉散策

金沢巡礼漫画で省略した部分
https://www.pixiv.net/artworks/115937476

 

 

 湯涌稲荷神社を後にして、温泉街の外れに向かう三笠マーヤと天草ヒカル。
 坂を登ると小さな湖がある。

「蓮ノ空女学院は湖のほとりに立つ設定やけど、卯辰山に湖はないねん。
 望湖台から眺める先の『河北潟』は蓮が有名っていうから、モデルの一つではあるんやろうけど、海辺にあって山の中とはちゃう。
 金沢の山中にある小さな湖となると、この湯涌温泉・玉泉湖もモデルなんやない!?」
「ふーん」
「反応薄っ。今後氷室が出てきたら間違いないで」

「あとねえ、活動記録11話って、コラボ先の旅館は山代温泉やったけど。
 山代のやの字も出てこおへんし、金沢市街と気軽に行き来してたあたり、元々は湯涌温泉やったんちゃうか?」
「ほーん」
「さて…そこの階段を登れば、喜翆荘こと白雲楼ホテルの跡地なんやけど」

「おいおい、登る気やないやろな。階段が雪に埋もれてるやないけ」
「けど足跡があるで。誰か登ったオタクがいるんや」
「オタクとは限らへんやん。だいたい跡地ってことは、今は何もないんやろ?」
「それでも緒花ちゃんが生きた地を見に、私は登るで! うおおおお」
 :
「ぜえぜえ…靴の中が雪まみれになりつつ、何とか登り切ったで。ん?」

 少し開けたところから、さらに上へと続く階段。

「………」
 :
「おかえり」
「ま、聖地巡礼に無理は禁物やね! うう寒っ。あそこに入ろう」
『金沢湯涌夢二館』

「あっつ! 暖房効きすぎや!」
「騒々しいやっちゃなあ。入ったからには勉強して帰るんやで」
「まあ夢二の絵は好きやからね。ふむふむ…おい竹久くん、女を取っかえ引っかえし過ぎやろ」
「昔の芸術家なんてそんなもんちゃう? お、マーヤが言うてた白雲楼ホテルの写真もある」
「ここで緒花ちゃんたちが…てかめっちゃデカいな。アニメではだいぶ縮小してたんやなあ。このまま再現してたらあの従業員数で回せるわけないか」
「さて、宿に戻ろか」
「待って待って。そこの白鷺の湯に入ってからや」
「何で公衆浴場に…旅館の温泉があるやろ」
「ふっふっふ。ところが自動ドアを開けるとやねえ。
 じゃーん! 花咲くいろはラッピング自販機に、岸田メル先生のサインが!

 そして脱衣所には歴代ぼんぼり祭りのポスターが! オタクに優しい!
 花いろ手ぬぐいください! え、品切れですか…」
「柚子が特産なんやな。柚子石鹸買うてこ」

 

 ルリカたちは湯涌温泉江戸村へ。

「こんな名前やけど日光の江戸村的なのではなくて、真面目な古民家の保存園やね。他にお客いてへんけど…」

「ルリカ先輩、雛人形が飾ってありますよ!」

「わ、可愛ええな」

「子供の頃、ルリカちゃんとした雛祭りを思い出しますねえ」
「うう、ユズハ先輩に幼なじみマウントを取られた…」
「ええっ!? そ、そんなんとちゃいますって。ユキノちゃんも大好きですよ~」
「ユズハ先輩っ!」(ひしっ)
「ふふ、仲のええ二人やなあ」