東雲学院のラブライブ

作品→https://www.pixiv.net/artworks/89521541

 ラブライブに向けた東雲学院の活動について色々考えてたんですが、あまり面白くならなそうなのと、紗菜の髪型がコイカツで作れないので没。姉妹百合だけに集中しました。
 没にした部分を供養として置いておきます。

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 ・東雲学院スクールアイドル部『sEasts』
 東雲の「s」と「東」を合わせたグループ名。sweetsとも掛けている。
 方向性としてはフレッシュで可愛い正統派アイドル。
 強豪とはいえ東京が激戦区すぎて、アキバドームへは一度も行けていない。
 予備予選は楽に突破するものの、東京地区予選で15位あたりが定位置。

 

・何とかもっと上へ…と先輩たちが考えていたところへ遥が入部。
 素直で明るく努力家、歌もダンスも上手い遥は一躍期待の星になる。
 同期の二人がどんくさいココと不真面目な優理で、遥に期待するしかなかったのもある。
 基礎を叩き込んだところで、部長のクリスティーナはさっそく遥をセンターに抜擢。
 ハルカカナタ事件で辞めると言い出されて部員全員真っ青になるが、何とか解決し、着実に頭角を現していく。
 とはいえ一年生一人でどうにかなる地区予選ではなく、順位はあまり上がらないままクリスと瑞希は卒業。
 部長はかさねに引き継がれる。

 

・顔であるクリスが抜けたせいで夏の地区予選は17位に終わり、冬に向けて頑張っている最中。
 予選1ヶ月前の直前になって、かさねが目標を下げると言い出した。
 何を弱気な!と怒る紗菜に、かさねは冷静に言う。

「どう考えても4位以内は無理。非現実的な夢は言わず、まずは10位以内を目標にしよう」

 今度は焦る紗菜。東京でベストテンというのも相当厳しい。
 かさねから突破確率を聞かれた理華は、4位以内は3%、10位以内なら30%と答える。

「30%なら十分目はある! 力を合わせて、必ず成し遂げよう!」

 そう発破をかけるかさねを、遥は思わず見直していた。
 自分が入部した頃、かさねは単なるコスプレ好きの明るい女子高生だった。
 しかし立場が人を作る。部長となった今は、頼もしく責任感溢れる先輩になった。
 次期部長に内定している自分も、こんな風になれるのだろうか。

 

・東雲のエースとしてもてはやされる遥だが、自分では凡人に毛が生えた程度なのも知っている。
 本物の才能が、よく彼方へ料理を習いに家に来ていたからだ。
 優木せつ菜。
 あれだけの才能が私にあればなあ、と愚痴る遥に、優理はむっとして言った。

「優木せつ菜がどれだけ凄かろうが、ラブライブに出てこない以上は不戦敗と一緒だろ。
 そんな奴に遥が負けるわけねーよ」

 実際、最後のチャンスである今回の冬も、せつ菜は出場しなかった。
 ニジガクからはかすみと愛だけが出場し、どちらも予備予選で落ちた。
 さすがにソロでラブライブに勝つのは無理がある。自分たちグループが全員の動きを合わせる苦労を、ソロアイドルは一切していないのだから、その分だけ評価は当然落ちる。
 それでもせつ菜ならいいところまで行けると、遥は思っていた。
 何で出ないの? と彼方に聞いても、色々あったんだよと苦笑するだけだった。

 聞けばニジガク同好会の半分は、せつ菜のライブに引かれて入部したらしい。
 まずエマが、次に歩夢と侑が、そして愛と璃奈が。
 果林は入部理由こそ関係なかったが、結局せつ菜の力に魅せられて、卒業ぎりぎりまで挑み続けていた。
 かすみもせつ菜にぐぬぬとなり、しずくは深く尊敬している。
 ただ一人彼方だけが、本人のライブよりも料理の腕の方が大事のようだった。
 何で? と聞いたら、単純に騒がしい曲は苦手とのこと。

(あれだけ才能があっても、個人の音楽の好みはどうにもならないんだなあ)

 そう思うと少し気が楽になった。
 ある意味彼方が一番、才能に惑わされずフラットにせつ菜へ接していたのかもしれない。

キズナエピを見ると次の彼方ちゃんの新曲は熱い曲っぽいけど、まだ分からんからセーフ。

 

・厳しい練習もあり、地区予選の結果は予想以上の8位。
 アキバドームが射程に入ってきた。
 かさね、紗菜、理華は引退。

 

・予選後に藤黄学園の姫乃から、差がついちゃいましたねーと声をかけられた。
 藤黄はステージに竹刀やカメレオンを持ち込む等、少し色物寄りなので、東京予選突破は程遠い。
 姫乃もこれで引退…と思いきや、1月のスクールアイドルフェスティバルまでは参加するそうだ。
 YG国際学園や青藍高校、千歳橋高校も参加するようになり、ラブライブの予選落ちグループが捲土重来を期す場にもなってきたSIF。
 発案者の侑はこれが最後になるが、だからこそ盛り上げよう、と姫乃と約束し、遥は会場を去る。

 

・遥には予選突破のプレッシャーもかかり、練習は辛く厳しい。
 別にプロアイドルは目指していない遥は、アキバドームに行ったところで実利があるわけでもない。
 だが、辞めるつもりは一切ない。
 ラブライブに参加しない、という選択肢を、姉やせつ菜として知っているからだ。

 彼方のスクールアイドル生活はそれなりに楽しそうだったが、やはり自分では選ばない。
 仲間たちと力を合わせ、全身全霊を懸けて他の強豪と勝負し、ファンとともに熱狂のステージを作るラブライブ!
 そこに自らの意志で参加して、青春を完全燃焼すると決めた。