近江姉妹とかなしず

作品→

https://www.pixiv.net/artworks/87999657

 

  かなしずが一推しカプですが、彼方ちゃんに「今は妹よりしずくちゃんの方が大事だよ~」などとは言ってほしくはないです。
 スクフェスの時代から、近江彼方というキャラクターの根本には妹があるわけで、そこは疎かにしないでほしい。
 かといって鎌倉話でエマに言わせたような、「家族と恋人で順番つけるものとちゃうで。どっちも別枠で大事なんやで」という常識的な態度が良いかというと、うーんどうでしょう。
 それも良いんですが、彼方ちゃんの超シスコンぶりからすると物足りない気もします。
 本人がのんびりしてるから目立たないだけで、あの妹愛は歩夢と同じくらい重いですからね。妹専用アルバムを部室に持ち込んでニヤニヤしてるんだぜ…。
 歩夢がジメッと重いなら、彼方は明るく笑いながら妹に狂ってる。
 そういうキャラである以上は、何があろうと遥が最優先であってほしいという願望があります。
 ということで自分の中での三人は以下のような感じ。

・彼方 → 遥

 あくまで姉妹愛。ただし銀河級に広く重い。
 妹が生きる原動力で、媒体によってはスクールアイドルも妹のためだけに行っている。
 16年間妹を溺愛し続け、それ以外の生き方は知らない。

 とはいえ妹以外に興味がないわけではなく、割と人懐こいので波長の合う相手とは仲良くする。
 友達は多くはないが、気に入った相手とマイペースに付き合うタイプ。
 遥が絶対不動の一番である以上、自分に恋をする資格はないと思ってる。恋人よりも妹が大事なんてのは相手に失礼なので。
「エマちゃんと結婚できたら毎日幸せだろうなあ」とぼんやり考えたことはあるが、上記理由により霧散し果林に任せた。
 この条件を越えられるのは、遥より下で構わないと明言したしずくだけだった。
 しずくに告られなければ一生独身。遥が誰かと結婚して子供や孫ができたとしても、それを温かく見守りながら、片想いの姉妹愛を続けるつもり。

・遥 → 彼方

 ぎりぎり姉妹愛だけれど、今にも恋愛の方向へ落ちそうな綱渡り状態。
 近すぎてもまずいが、かといって完全に離れるのは絶対に嫌なので、騙し騙し「健全な姉妹関係」を続けている。

 皆から好かれ友達も多いが、姉以上に誰かを想うことはできず、特別な相手はいない。
 根本的な解決策として、他に好きな人を作ろうと努力はしていた。
 ただ東雲の一年生では、自分以外の二人である宮下ココと御堂優理がデキていて(公式)、遥はハブとは言わないけど少し浮いてる。
 かといって上級生は、アニメで組んでいたクリスティーナは聖職者で、万人に慈愛を振りまくタイプなので遥の特別にはならなそう。
 他にはスクフェスのホームで「理華に化学を教わった」という話が出るくらい。

 姉の苦労に対する申し訳なさが元々大きいところに、道ならぬ想いまで抱きそうで、罪悪感で押し潰されかけている。
 なので自分から告白することは絶対にない。
 しずくと彼方が付き合うルートでは、姉に彼女ができたという事実をもって、全力で恋心を殺す。
 しずくがしずかすルート等へ行ってしまった場合は、隠しきれなくなって彼方にバレるか、クリスに懺悔したら他に救われる道なしと判断したクリスにバラされるか、とにかくバレる。

 遥をそういう目で見たことは一切なかった彼方だが、見ようとして見られないわけではない。
 妹であることを差し引いたとしても、宇宙一大好きな女の子である。
 何より、遥が望むことは何であれ全力で叶える。
 結局ブレーキをかけているのは遥の道徳心だけなので、そこさえ乗り越えれば相思相愛へ一直線。

・しずく → 彼方

 遥がいる限り彼方の一番にはなれないが、それでも付き合えないよりはずっと良いと思ってる。
 自分から遥より下で構わないと言った以上、永久に遵守するつもり。
 元々自制心の強い子で、演劇を通じて感情コントロールにも長けている。

 学校やデートで彼方と過ごす分には、そうそう遥を意識することはないので、実のところ実害はあまりない。
 彼方の方も、しずくと二人のときは遥の話はしない程度の気遣いはしている。

 ただ今回の話の後で、しずくが近江家に行くことは基本ない。
 遥を含めた三人でいる限り、彼方は選択を強いられる。
「コーヒーに入れる砂糖の数をどちらへ先に聞くか」といった細かいことでも、どうしても選択は発生する。
 その度に彼方が申し訳なさそうに妹を選ぶのが、しずくとしては忍びない。決して自分が傷つきたくないからではない。

 逆に遥と二人だけなら特に問題ないので、東雲のライブを見に行ってスクールアイドルの話をしたりする。
 遥が姉への恋心を殺し尽くして落ち着いた後なら、彼方の話をすることも可能。

 

<先行作品>

 参考にした作品として、川原泉の『笑う大天使』最終話があります。
(34年前の漫画なので、今さらネタバレもなさそうだけど一応色変え)
 こちらの兄貴はさらに条件が厳しく、「自分より妹を優先しないと付き合わない」というものでした。
「彼方ちゃんより遥ちゃんを優先してくれないと、お付き合いはできないよ~」なんて言われたら、さすがにしずくも詰む。
 実際誰も突破できなくて、ずっと兄妹二人で生きていくというオチでした。
 シスコンというよりは、妹が辛いときに何もできなかった事への罪滅ぼしが動機でしたが。

 

<姉妹百合の話>

 らき☆すたブームの際こなかが一強の中、かがつかを探し回ってた程度に姉妹百合が好きです。
 が、これだけ百合作品が増えた現在でも、恋愛までいく姉妹百合は少ないですね。やっぱりニッチやからね…。
 しかし近江姉妹は以下の点から、姉妹百合に親和性が高いということを主張したい。

・実姉妹である(義理の姉妹とか疑似姉妹ではない)
・実際に年月を重ねてきた重みがある(離れて暮らしてたとか最近存在を知ったとかではない)
・ギャグではない(妹のパンツをかぶったりしない)
 赤座姉妹はギャグとしては面白いけど百合としては見られない…。

・生活感がある(特にアニメ9話と12話のカットは素晴らしい)
 艦隊擬人化で姉妹艦のキャラがよくいるけど、どこで生まれてどう生活してるのかも分からんので、姉妹関係としては少々弱いですね。
(とはいえアズレンならポート&インディ、艦これなら鶴姉妹が好き)

・他のキャラとの描写が少ない
 けいおんの平沢姉妹はU&Iのエピソードは最高だったし、憂のキャラソンも狂ってて良かったけど、やはり全体の描写量は軽音部員>>>妹なわけで、どうしてもゆいあずやゆいりつの方が頭に浮かんでしまいます。
 その点彼方ちゃんは悲しいかなメイン話での出番が少ないので、一番印象に残るエピソードが妹の話という現状。
 遥の方は姉以外にカプ相手がいないという素晴らしさ。

・まともな姉妹すぎない
 まともな姉妹というのは例えば黒澤姉妹のことで、完全に「成長する妹と見守る姉」の物語だったので、個人的には百合妄想はできないです。
 特にダイヤさんが常識人すぎて、姉妹以上の感情を持つのを想像するのは難しい。
 その点彼方ちゃんは最初から重度のシスコンだし、遥は一見まともだけど、姉のためにスクールアイドルを辞めるくらい重い。
 そもそも彼方から四六時中溺愛され続けて、まともでいられるはずがない。(願望)

 ここまで書いてスクフェスのサイドストーリーを読み返したところ、遥のバレンタイン話がなかなかヤバかったです。
 スクフェスちゃんから「お姉ちゃんに愛の告白?」と聞かれて、否定はするものの変な汗をかくほど動揺してる!
 これ完全に姉妹以上の感情持ってない? 単なるオタクの妄想ではなかった…?

 しかし探しても近江姉妹のガチ百合創作はほとんどなく、やはり姉妹百合はマイナーなんですかねー。
 なら自分で書けという話なのでそのうち書くかも。

 

<おまけ:3Dモデルの話>

 コイカツに毛布がないのでヴェールで代用とツイートしましたが、実際漫画で使うと半透明なのは違和感がありすぎました。(幻想的なシーンならいいかも)
 仕方ないので数年ぶりにPMDエディタを起動。
 平板のモデルにコイカツのマットの画像を貼り付け、ナイフで適当に切って必要な形に変形させてからコミPo!に取り込みました。
 最終ページの1コマ目のように、手前に柱や梯子がある場合は、コイカツ出力時にそれだけ別に出して重ね合わせ。

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